1959年4月、インディアナ州インディアナポリスに、男の子ばかり6人兄弟の末っ子として生まれる。本名:ケネス・エドモンズ(Kenneth Edmonds)。同州といえばジャクソン・ファイヴ(Jackson Five)。年齢もマイケル(Micheal Jackson)と2つ(マイケルが上)しか変わらないため、少なからず意識したことだろう。
地元の高校時代からマンチャイルド(Manchild)に参加。2枚のアルバムを残している。81年、ミッドナイト・スター(Midnight Starr)のジェフ・クーパー(Jeff Cooper)がオハイオ州シンシナティ出身のディール(The Deele)を紹介。バンドに参加する。ミッドナイト・スターがソーラー・レーベルだったこともあり、彼らも同レーベルから『Street Beat』でデビュー。3枚のアルバムを発表する。
ソロ・デビューは86年。徐々にシンガーとしての地位を築き始めながらも、その活動を幅をさらに拡げていく。89年には、LAリード(Antonio “L.A.” Reid)とともに、アトランタを拠点としたラフェイス(LaFace)レコードを設立。トニ・ブラクストン(Toni Michelle Braxton:1stアルバムは800万枚のセールス)、TLC(2ndアルバムは1,400万枚以上!96年ベストR&Bアルバムとしてグラミーも受賞)などを成功へ導き、プロデューサーとしての力量も遺憾なく発揮。その功績は、87年にウィスパーズ(The Whispers)「Rock Stedy」を大ヒットさせてから今日まで、いくつの楽曲を世界中に提供してきたのだろう。ボビー・ブラウン(Bobby Brown)、ボーイズⅡメン(BoyzⅡMen)、アレサ・フランクリン(Aretha Franklin)などなど、数をあげるときりがないほどである。
また、映画『ソウル・フード(Soulfood)』なども手掛ける。故郷インディアナ・ポリスに彼の名前がついたハイウェイがあるという話も納得ができる。
私生活でも、トレイシー(Tracy)夫人との間に2人の子どもに恵まれ、まさに公私ともに幸せと思っていたが…05年10月に離婚。オシドリ夫婦といわれていただけに驚きであった。
その影響もあるのだろうか。以降、オリジナルアルバムが定期的に届けられていない。離婚後の『Playlist』(2007年)はカヴァーを中心とした内容であり、新作ではなかった。
徐々に彼も過去の人扱いをされてきた2014年に突如復活!しかも私生活において、同じような経験をしてきたトニ・ブラクストンとのコラボレート作を発表する。タイトルも『Love,Marriage & Divorce』。経験を吐露し、新たなる出発点と位置付けていると思われる。結果この作品は、ビルボード200で4位、2015年のグラミー賞で“最優秀R&Bアルバム賞”を受賞した。
さらに話題となったのは2015年にリリースした 『Return Of The Tender Lover』。過去の名作『Tender Lover』へのオマージュとなった作品は、昔からのファンを喜ばせ、アーティスト:ベイビーフェイスの完全復活を印象づけた。
2022年には、現行R&Bアーティストとのコラボした『Girls Night Out』を発表。エラ・メイ(Ella Mai)、ケラーニ(Kehlani)、マニー・ロング(Muni Long)などが参加したこのアルバムは、2024年グラミー賞で“最優秀R&Bアルバム賞”にノミネートされた。自身のこれまでのプロデュース力を表現し、結果を出すところが流石である。
(2005.11.21/2014.09.27/2025.05.24)